○前世で愛した人と兄妹で生まれちゃったよ





 艶主と兵助が兄妹で、双忍が男女の双子。この場合三郎が女で。
 艶主、三郎が記憶ありで、兵助と雷蔵が無い。で、兵助と雷蔵が自分の兄や双子の妹を恋愛対象としてみていて、兄と双子の妹はそれに気付いていて知らないふり。確かに前世のパートナーは愛してるけど、目の届く範囲で生きていてくれたらそれで良いよって思ってる。
 兵助と雷蔵は初期は自重している。恋愛感情なんかじゃないんだよって自分を騙してる感じ。
 双方とも家は親がいなかったり、ネグレクト気味だったりして、結構子供の動向には無関心。
 コレどう考えてもバッドエンドにしかならないんですけど!


ゲーム風に考えてみた。

 ルートその1。艶主と三郎があまりにも仲が良いので、どんどん兵助と雷蔵がヤンデレてきて、何か最近兵助と雷蔵の目が怖いんだけど、とか顔をつき合わせて報告会。ヤンデレの危険なシグナルには気付かないで日々を過ごしているうちに、艶主は徹夜明けに度数の高い酒を盛られて妹を抱いてしまう。三郎の方は痺れ薬か媚薬を盛られて、やっぱり雷蔵に襲われる。同じ日ではないが結構近い。
 その後また報告会。酒を盛られて抱いてしまった、ああ先輩徹夜明けだったんですか私は媚薬でしたよふふふ、なんかもう逃げられない気がする、先輩もですか、とか暗雲渦巻いてる感じ。その数ヵ月後、艶主は兵助に満面の笑みで母子手帳を見せられ、三郎は市販の妊娠検査薬での陽性の結果に呆然としている所を雷蔵に捕獲され、検査薬を取り上げられる。子供ができていることにご機嫌な雷蔵。兵助は子供を生むし、三郎は生まされる。どの選択肢を選んでも、一番最初に辿りつくエンド。
スチル名【これであなたはわたしのもの】。青ざめた艶主に満面の笑みで抱きつく兵助と、同じく青ざめた三郎を後ろから抱きしめる御機嫌な雷蔵。

 ルートその2。子供ができちゃうところまでは一緒。しかし三郎は雷蔵に発覚する前に艶主の所に堕ろさなきゃいけないのに雷蔵の子供を殺すなんて出来ないと泣きつく。なら一緒に逃げよう、を選択。この時艶主は兵助の妊娠は知らない。誰の手も借りずに二人でこそこそと逃亡準備。でも雷蔵と兵助(たぶん結託している)にばれて、何で私/僕以外の人の所に行こうとするの離れるなら殺してやるとヤンデレ絶頂。艶主と三郎は死亡し、兵助と雷蔵は後追い自殺。その後で三郎と兵助は妊娠してたよ、しかも兄妹同士での子供だよと発覚。
スチル名【もう何処にも行かないで】。血まみれの愛しい人の死体を抱きしめて事切れる加害者。

 ルートその3。一緒に逃げる所までは一緒。周囲の友人(同じく前世もち)の協力を得て、逃亡。兵助は兄がいなくなった後、子供も流産してしまって発狂し自殺。雷蔵はふらふらと三郎を探し回っている時に事故にあって死亡。一方三郎は無事に子供は生む。双子だったよ。暗い目で雷蔵と兵助の墓を見る三郎と艶主に、無邪気に笑い声を上げる子供達。
スチル名【生きていてくれればそれだけで】。墓の前で泣き崩れる三郎に暗い目で子供達を抱えた艶主。

 ルートその4。抱いたり襲われたりまでは一緒だが、妊娠発覚前に手を打っており、子供ができないように艶主は兵助に堕胎薬を盛り、三郎は自ら飲む。そして二人で逃亡。もちろん周囲の協力を得ていて、竹谷辺りが「お前ら先輩と三郎に何した?」とヤンデレ気味な二人に説教開始。だって愛してるんだもんとか反省の色が全く見えない二人。もちろん諦める気は全くなく、兄と双子の妹を追いかける。艶主と三郎は竹谷たちのサポートの元、逃亡生活開始。そして逃亡中に事故に巻き込まれ病院に担ぎ込まれて、手当ての甲斐なく死亡。
スチル名【追いかけなければ良かった】。お骨を抱いて精神崩壊を起こしている兵助に、墓に寄りかかり首筋に刃を当てる雷蔵。

 ルートその5。艶主と三郎が仲が良いので、好きなのと泣き崩れられ、ああもう我慢してたのに!と ベッドに引きずり込んでうまうまと喰ってしまう艶主と、同じく雷蔵をベッドに引きずり込んだ三郎。そして兄妹同士で結託して、お互いを仮のパートナーとしてカモフラージュすることに。仲の良いきょうだい夫婦として子供も生まれて育てているが、実際は兄妹同士でできた子供を結婚相手の子だよと偽って生んで育てている。なので戸籍上もそうなっている。いずれ真実を知った子供達がドン引き。
スチル名【どこまでも共に堕ちよう】。偽りを被りながら幸せな共犯者四人と何も知らない幼子。

 ルートその6。あまりにも未来が無さ過ぎる、と艶主と三郎が苦悩した結果、自分たちの事は兄妹の感情しかないんだと暗示を強く刷り込み、あまり刺激しないように少し距離をとる。結果、恋愛感情を忘れた兵助と雷蔵はそれぞれにパートナーを見つけ結婚。艶主と三郎は共犯者としての契約代わりに結婚。でも肉体関係もないし、子供もできない。寂しいような悲しいような、幸せなような複雑な気持ち。
スチル名【これで大団円】。それぞれのパートナーと幸せそうな顔をしている兄妹を見守る艶主と三郎。互いの薬指には、共犯者の契約の証の指輪がある。