シオンのわからず屋!



「シオンー、やめた方が良いですって、サガが表でカノンちゃんが裏だなんて。サガは平気な面して秘密を抱えていけるほど神経太くないですし、何よりあの元気っ子のカノンちゃんがそれで満足すると思います? 絶対どっかで破綻しますって、断言できますよこれ」
「煩い。もう決めたことじゃ!」
「聞こえないー。ただでさえ双子座の聖闘士は精神に異常をきたしやすいのに、一人隠してないことにするなんてそんなことしちゃダメでしょー。人道に反するし。まず絶対カノンちゃんがぐれてサガが駄目になりますよ。もしかしたら精神分裂起こして多重人格になっちゃうかもしれませんねー。サガは綺麗大好きっ子な似非聖人だから、もしかしたら正反対の鬼畜で真っ黒な子がでてきたりして。つくづくサガと似てて反対なら、女神なんて殺して私が世界を征服してやるわははははーとか言いそうですよね。そんでシオンは後ろから刺されるんです、邪魔だからぶすって。そしたら聖域は黒い子のもの。きっと好き勝手やりたい放題」
「ええい、煩いと言うに!」
「卓袱台返しは効きませんよ。だからカノンちゃんを表に出してサガを裏に回すか、カノンちゃんも表に出して教皇の座につけましょうよ。あの子なら清濁併せ呑む事も出来るし頭良いし教皇向きの性格でしょー。例え海闘士の星も併せ持ってても、ここにいさせとけば良いわけだし。カノンちゃんは愛情を示されたらむげには出来ない可愛い子なんですよ。愛情という愛情で雁字搦めにしといたら海に行こうだなんて思いませんて」
「おぬし相変わらず涼しい顔して鬼畜な……って、そんな不確かな保障が信じられるか!」
「お褒め頂ありがとうございます。愛で以って人を守ってくれる女神の聖闘士が愛を信じられなくなったら意味ないでしょうが。愛が信じられなくてアンタ本当に女神代理の教皇ですか。やってけるんですか。ああもう、本当に知りませんよ。忠告しましたからね。いつか本当に後ろからぶすっとやられたら指差して笑ってやりますよ。あーあ、裏で何考えてるかわからない聖人面した胃痛持ちよりも、可愛いカノンちゃんが同僚の方が張り合い出るのになー」
「……ほめとらんわ。最後のが本音か」
「全部が本音です。決まってんでしょう」

-----------------------------------------------------------

 ふと思いついて書いてみた羊主人公とシオンの押し問答。
 サガの事をさんざんっぱらこき下ろしてますが、別に仲が悪いと言うわけではありません。ただ単に全ての基準がカノン中心になってるだけで。