天使と堕天使パロ
大きく分けて第一部と第二部。
第一部は前聖戦の聖闘士が中心。ほぼ全員が堕天使になるまで。
第二部は黄金達と堕天した連中との交流と、堕天理由とか色々。
これ堕天してる連中のほとんどがオリキャラってのが痛いよね!(今更)
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森羅万象は流転する。不変はありえない。それはよく知っていたというのに……!
ぎりりと奥歯をかみ締め、法衣の裾を翻して足早に歩く。なんでもないような表情をつくろってはいたが、その内側はほとばしる激情で揺れに揺れていた。
袖で隠れた手で拳を作り、自室に入ると、はその拳を音も高く壁に叩きつけた。
じんと痛む手をそのままに、額に手を当て扉に背をつけたままずるずると座り込んだ。
苦悩に満ち、わななく唇が、神の名をかたどった。
「主よ……!」
全てはこの時に始まった。
大天使長、熾天使ルシフェル。髪の玉座の右隣に立つ事を許され、最も神に近い場所に在る天使。それがであった。
だからだろうか、彼女が真っ先に、仕えるべき神の異変に気付いたのは。それでも、最初は気の所為だとばかり思っていたのだ。そうして、見過ごしてしまった。だから手遅れになった。
悔やんでも悔やみきれぬ思いを胸に抱え、は同じように神の異変に気付いている者達の前で、神の居住区で見てきた、まるで天界にはありえない、あってはならない光景をありのままに伝えた。
顔色をなくし、能面のような表情で語られるむごたらしい内容に、集まった者たちはだんだんと血の気を引かせ、苦い顔をしていった。
重く固くなってくる空気をその身に感じながら語り終えたは、ひとつ大きく息をつき、固く目をつむる。
「ああ……ルシフェル、、それは本当か……?」
「馬鹿、こんなことで嘘付いてなんになるってんだ」
「カルラ、あなたを疑うのですか?」
「ちがう! ……ただ、信じたくないだけだ、こんな……」
リバルエイドとヘリオトロープの言葉に、嘆きの声で確認を取ったカルラは、数度首を振って、手に顔を埋めた。半数以上の者が彼と同じ意見らしく、縋るような瞳でを見つめる。
無理も無い事だ。だって、信じたくは無かった。けれど、この目でしっかりと確認してしまった事実を覆す事はできず、肯定を返す事しか出来ない。
「狂われたか……」
「…ああ」
「そうか」
蒼白い顔で、フーガは瞑目する。改めて口に出されたその言葉に頷くのはとても痛かった。
部屋の中に、悲壮な空気が満ちる。けれど、最初に作られ大いなる知恵と勇気、そして精神力を有した彼らはそれだけで終らず、強い意志を宿した瞳で、彼らを取りまとめる長を見つめた。
「これから、どういたします、我らが長よ」
どうする、どうすればいい。
己にそう問いかけながらも、既にの中にその答えはあった。元より、は、ルシフェルは、そのために作り出されたのだから。
だからこそ、こんな時が来ないことをずっと祈っていたというのに。
――お許しください、主よ……。
瞑目し、これが最後と決めて主に許しを請う。そして、そのまぶたを押し開いたときには、既に覚悟は決まっていた。
苛烈な、それでいて静かな紫紺の瞳に、焔が宿る。
「堕天する。私は反旗を翻そう」
凛と下された宣言に、その場にいた全ての者が膝を折り、頭を垂れた。
『お許しください、主よ……』
泣きそうな、かすれた声が聞こえた。
滅多に無い、明けの明星からの祈りの言葉だ。絶望すら滲むその祈りに、玉座でまどろんでいた神はやっと気付いたくれた、と安堵の息を零した。
うっとりと高い天井を見上げ、目を閉じる。
「よい、許そうぞ、わたくしの光。そのために、お前はあるのだから……」
誰もいない空間に、朗々とした声が広がる。その後続々と届く許しを請う言葉に、神はただ慈愛に溢れた笑みで持って頷いた。
震える心に真珠のような涙を零し、ゆったりと手を伸ばす。
「ああ、許そう、許そう、忠誠深き我が子たちよ……だからわたくしの光を支えておくれ。わたくしの希望となっておくれ。そして忘れるな。わたくしはお前達をいつでも祝福しているということを」
愛しい子達、どうか、どうか。
神の祈りは、歌うように天上へと昇っていく。そうしてまた、神はまどろみと侠気の狭間へと落ちていくのだった。
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はじまりとしてはこんな感じです。
『The infinite』の主人公がルシフェル…つまりは最高位の天使から魔王陛下へと転向。性格がかなり違うと思いますが、パラレルですからv
でもこれ、パラレルというよりも沙織さんが暇つぶしに会社の支社ごとに映画を撮って提出させ、品評会〜みたいなノリの方が楽しいと思います。主に私が。
でもそうすると、先代黄金たちと沙織さんの黄金聖闘士が合流した後っていう設定になるんですよねー。別にいいけど、楽しいから!
頭の中で妄想として繰り広げている分には、そう労力も使わないので好き勝手してますよ、ええ。
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